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理事長所信

2008年度理事長 多田 輝雄

はじめに

勝山に住んでいる私たちはのどんなところに魅力を感じるでしょうか、古来より山岳信仰の世界を形成してきた霊峰白山の壮麗な大自然、または平安時代には一大宗教都市として栄えた平泉寺、奥越に春を呼ぶ奇祭として約300年の伝統がある左義長まつりなど、私たちが住んでいる勝山には数えきれないくらい多くの自然、歴史、文化など次代に伝えていく宝があります。そして、忘れてはならない大切な宝がこのまちに住み、生活をしている私たち市民なのではないでしょうか。勝山を魅力あるまちとして創っていく為には、を愛する心を持ち、の魅力などローカル・アイデンティティを高め、発信していく市民の力が必要不可欠なのです。

昨年の統一地方選挙でも議論されたように、今後は政府が推し進めた構造改革の影響によって、ますます地方分権の流れは加速されるものと思います。そのような中、地方に住む私たちにとって地域間格差や社会サービスの削減など、生活に大きく影響を及ぼす問題が生まれてくるものと思われます。これから、さらに変革が求められる責任世代として、自分たちの住む地域の自立を考え、行動し、歩んでいかなければなりません。今までのような「いつか誰かがやってくれるだろう」という、お任せ・受身型から、「自分の出来ることは自分でやろう」と自発型へと私たちの思考回路を転換する時代になってきています。このような生き生きとした自立した市民社会は「誰かが」ではなく「自分で」創る社会と言えます、自分の声と言葉を持って自分の足で地域に立っていく、今こそ20代、30代の私たちJAYCEEが変革者として、にを照らし、地域に住む市民の方々と一緒になって積極的に新しい地域社会を切り開いていく時代なのです。

創始の精神を共に伝えるために

私たち(社)勝山青年会議所は今年で創立40周年の記念すべき年を迎えます。1968年春、地域の発展を願う若き情熱を持った青年達の手によって、県下6番目の青年会議所として設立されました。以来40年に亘り、設立当初から受け継いできた「明るい豊かな社会づくり」を目的として、先輩達は勝山のまちづくりについて真剣に取り組んでまいりました。

本年度は創立40周年の節目の年として、これまで脈々と受け継がれてきた先輩達の輝かしい伝統や勝山を愛する熱い思いを継承し、次の世代に続くよう今の勝山を足元から見つめなおし、これからも地域にとって価値ある事業を創造していく年にしていきたいと思います。

そして、創立40周年の記念式典、記念祝賀会、記念事業を行う中で先輩諸兄、各地青年会議所会員、並びに市民の皆様に対して、これからの我々の活動指針となるビジョンを示し、45周年、50周年に向けてさらなる飛躍をする一年にしていきます。また、メンバー全員が40年の歴史の重さと偉大さを認識し、このような機会に一緒になって活動できることを喜び、次の周年に向け決意を新たにして、心が一つになれるようにベクトルを高めていきます。そして、メンバー全員の気持ちが一つになることで、創始の精神を次の世代に伝えていくことができるのだと思います。

次代を担う子どもたちを創るために

 

昨今の新聞紙上を見ると毎日のように、青少年が被害者になっている事件や青少年たちが当事者になる事件が後を絶ちません。昔では考えられなかった悪質な事件も、子どもが変わってしまったのではなく、子どもを取り巻く環境が変わってしまったことが要因の一つになっているのではないでしょうか。

今の子どもを取り巻く環境を見ると、核家族化の増加、3世代同居の家庭の減少、また子どもの意識や大人の意識も、地域でのつながりを大切にする事よりも個々の環境を重視することなど、大人とのつながりが少なくなってきていることが変化した原因の一つとして挙げられるのだと思います。そして、つながりが少なくなることで、昔から培われてきた道徳心を養う事も出来難い環境になってきている事も影響しているのかもしれません。このような事柄は多くのJCメンバーが子を持つ親として、また同世代の大人として見逃すことができない状況なのではないでしょうか。

そして、最近では保育サービスの拡充などにより、自分が教育の主体者であるという自覚を持たない若い世代の親がモンスターペアレントと呼ばれ社会問題化しています。生まれた子どもにとっての人生の最初の教師は、親である我々の世代でなければなりません。今、子育て真っ盛りの我々の世代が子育てを通じて、人間として成長していくこと、共に育っていく共育の発想が、これからはとても大切であると思います。

未来ある子どもたちのために、まずは私たち大人が地域の方々との連携を行い、子どもたちはみんなで見守り、育てるという意識があらためて必要な時代になってきています。

 

本年度は今までの事業の流れを取り入れながら、勝山に住む方々と共に子どもたちに学ぶ機会と考える場を創りたいと思います。これから社会へ歩き出す上で学ばなければいけない、道徳心や社会でのルールなどを大人が教え、その上で子どもたちにいろいろな機会や知的刺激を与えることで、これからの成長に大きく作用する学びの場を創っていきたいと思います。更に勝山の素晴らしい自然や歴史を学ぶことから、次の勝山を担う子どもたちに郷土愛、考える力、思いやりの心を育んでいきます。

今まで青年会議所が培ってきたネットワークと連携を十分活用し、子どもたちに思いやりの精神を育む機会をつくるコーディネーター的役割を担うことで、青年会議所活動の広がりを出していきたいと思います。そして、われわれ大人が子どもたちにとって身近な地域の先生として手本となるような行動を示し、共に学んでいきたいと思います。

私たち大人が変われば、次代を担っていく子どもたちに伝わり、夢や希望があふれる魅力あるまちが創られるものだと思います。

交流と発信が組織の活力になるために

 

青年会議所の活動をアピールすることは、これから公益社団法人として社会的評価を受ける上で大変重要になっています。ますます青年会議所への社会的信用度が高まってくる中で、私たちの活動を発信し、また市民の方々からの意見をフィールドバックさせるために、本年度も広報紙、ホームページでの広報活動に力を注いでいきたいと思います。これからの公益団体として情報の開示を行い、社会的に開かれた存在として公益性の高い事業を行っていきます。そして、勝山市内の団体や県内の団体と積極的に情報交換を行い、事業活動の協力と支援の輪を広げ、一緒になって行動する機会をつくっていきたいと思います。一緒に事業を行うことで感動を共鳴することができ、情報や事業を共有することで組織の活性化になり、多くの地域の方々と明るい豊かな社会を築く活動が展開できるものと信じています。そのためには、本年度も各委員会が担当する例会や事業を積極的に開放し、市民に認められる公益的な事業を増やしていきます。そして事業の情報を発信することで、市民の方々に青年会議所活動を知っていただき、多くの交流の中から新しい出会いが生まれ、私たちの活動がさらに広がっていくものと思います。

まちの応援団として輝く地域を創造するために

私たち(社)勝山青年会議所は2001年の年に行政に対して、まちづくりの一つの手法であるエコミュージアムによるまちづくりを提言させていただきました。その後、勝山市のエコミュージアム構想によって市内各地域、各団体による地域にある遺跡と資産の掘り起こしが始まり、市内各地で魅力あるまちへの創造が広まっていきました。各地では多くの埋もれていた宝が洗い出され、細々と受け継がれてきた特産品の復活や遊歩道整備など地域の個性を生かした事業が発掘されました。少しずつではありますが、自分たちの地域を愛する心と誇りが大きな花を咲かせようとしています。

しかし、5年間のエコミュージアム事業を推進していく上で、いくつかの課題も見えてきたのではないでしょうか。エコミュージアムの目的の一つである地域に住む市民が学芸員として、地域のことをもっと知り、まちの魅力を発信すること。そして、自分たちの住んでいる地区だけではなく勝山市全域の中で、他の地区の取り組みにも関心を持ち、連携してまちづくりに結び付けていくことなどが今後の活動としては必要になっています。

本年度はエコミュージアムによるまちづくりを提言した団体として、市内各地で発掘したエコミュージアムの宝をさらに多くの方々と共有出来るように、勝山市内各地区の方々と連携を深め、勝山市内そして県内外から来られる方々にも発信できるような事業をすすめていきたいと思います。

また、私たちは2005年より勝山の中央を流れる九頭竜川を勝山市民の素晴らしいサテライトと捉え、「クリーンアップ九頭竜川」事業を展開してきました。九頭竜川流域で活動するまちづくり団体や九頭竜川を愛する企業、行政のご協力、ご支援のもと多くの市民の方々と一緒に活動してきました。数年間、続けてきたこの活動により、勝山市内に住む方々に改めて九頭竜川の美しい自然、そして私たちの身近にある川の存在を感じていただけたと思います。そして昨年までの事業に参加した企業や市民の方々から、九頭竜川に対する意識が変わり、自分たちの住む地区や家のまわりから出来る小さなまちづくり運動が広がってきていると感じています。自分達のことは自分たちでするまちづくり運動の小さな輪が少しずつではありますが浸透しているのは間違いありません。

本年度は昨年までの大きな成果を踏まえ、地域の方々と一緒になって九頭竜川の清掃活動の輪がさらに大きな輪になるように、市民の方々に啓発活動を続けていきたいと思います。

 

このに生きるひとりの人間として、に誇りや愛着を持ち、これからも住んでいたいと思う気持ちがを輝かせることができると思います。

未来の仲間と感動を共鳴するために

 

今後2年間で(社)勝山青年会議所は10数名のメンバーが卒業します。そして、今年の12月には8名のメンバーが卒業し、入会者がなければ次年度からは20数名でのメンバーで活動をしていかなければなりません。これは創設以降初めて経験するメンバー数であり、非常事態と言っても過言ではありません。会員の減少は私達の活動の幅を縮小し、組織の運営、そして組織の存続にも大きな影響を及ぼします。これからも地域に必要とされる組織として、公益的活動を行うには今年が私たちにとって大変重要な年になってきます。多くの仲間と共にこれからも活動するためにも、志を同じくする新入会員の増加が最重要課題として考えなければなりません。

今年は新入会員を獲得する為の組織として会員拡大特別室を設置し、シニアの先輩や勝山市内の企業などから情報収集を行い、集めた情報の共有化を徹底し、全員で会員拡大を進めていきたいと思います。会員拡大を行う上で、まだまだ市民の方々には青年会議所の認知度が低いことや、どんな活動をしているのか分かりづらいなど色々な問題があるのかもしれません。そこで例会や事業の参加を呼びかけ、会員拡大室を中心として全メンバーが一丸となり、青年会議所活動をアピールし積極的に話しかけていく機会を作っていきたいと思います。そして、これからも青年会議所は地域にとって価値ある活動を生み出す団体として、また多くの仲間と切磋琢磨する学びの場として、入会したメンバーがその中で活動することによって人間的に成長ができる青年期の学舎として、存続する意義があります。そして、地域に存在する未来の仲間を探し出し、私たちの活動に共鳴していただける仲間を増やすことは、まさに地域の宝をつくる一番大切な青年会議所活動だと確信しています。

地域に必要とされる組織に変わるために

2006年に成立した公益法人制度改革関連三法は、公益法人である我々青年会議所にとってこれからの事業を行う上で大変重要な法律になります。今年の12月には公益法人制度改革が施行され、今までの公益法人である青年会議所は「特例民法法人」として存続し、今後5年間の間に「公益社団法人」となるのか、「一般社団法人」となるのかを選択しなければなりません。このどちらを選択するかによって、今後の私たちの活動に大きく影響を及ぼします。

 

一般社団法人の場合は会社同様に、登記のみで簡単に法人格がとれるようになります。 監督や報告義務が軽く、公益目的事業の実施も必ずしも求められるものではないので、現行の社団法人に比べ、社会的評価は低くなると思われます。それに対して、公益社団法人は監督や報告義務も多くなりますが、税制優遇措置も適用され、公益認定を受けるため世の中の役に立っているということを、地域に対して明確にアピールすることができます。

私たちは今まで公益法人として活動してきた実績と結果を踏まえ、これからも地域の負託と信頼にこたえる活動を行い、地域にとってはなくてはならない組織として存続していかなければなりません。本年度はメンバーそれぞれがこれまでの活動とこれからの組織の在り方を十分に議論し、今まで以上に信頼され、価値ある組織として、進化する年にしたいと思います。そして、私たちは何のためにJC運動に取り組んでいるのか、「明るい豊かな社会づくり」とは何なのか、設立当初の先輩たちの熱い思いをメンバー全員で考える機会を作っていきたいと思います。

最後に   「その昔、巨大な恐竜たちが緑生い茂るこの大地を踏みしめ、太陽の光をからだいっぱい浴びながら悠々と生活していた。時は流れ、二本足で歩きはじめた私たちの祖先がここに炎を灯す。そして現代、たくさんの財産とかけがえのない人々が暮らす、このまちが新たな歩みをみせる」・・(かつやまふるさとルネッサンスより) 恐竜が生きていた時代より私たちの住むまちは多くの宝を持っていました。祖先から受け継いできた大切な宝を、私たちは責任感と使命感を持って次の時代に託さなければなりません。 これからも地域に必要とされる組織として、JAYCEE一人ひとりが持っているを集結し、の未来を照らすために共に新たなる一歩を踏み出そう。私たちのが輝く新しい未来が始まることを信じて、力強く歩き始めましょう。